2018.09.29

平成30年三島市議会9月定例会 一般質問

 ◆2番(伊丹雅治君) 通告に従いまして一般質問いたします。
 農は国のもとになり、私たちは生きるために食べなければいけない。その食べるものをつくってくれるのは農家の皆さんです。農業は、その新鮮な農畜産物の供給といった面だけではなく、教育、雇用、健康といった社会的課題に対し、解決策を提供する力を持っています。また、さまざまな業種や事業と融合しやすい産業といえます。ユネスコの無形文化遺産に登録された和食を支えているのも農業です。また、本市の農のある風景は維持、向上すべき歴史的風致であります。観光政策、インバウンド対策の面でも農業は欠かせません。
 平成30年度の市民意識調査において、三島市がどのようなまちになったらよいと思いますかの問いに対して、自然や環境に優しい安らぎのある都市の割合が17.7%で、2番目に高い結果でした。将来のまちづくりや地方創生を進めるために、いかに農業を活用できるかが重要であります。東京から新幹線で50分、そこから数十分のところにはレベルの高い農業が存在する。これは、どこにでもある当たり前の光景ではありません。いかに三島市が恵まれているか、潜在能力を持っているか。農業者の平均年齢は67歳、担い手の高齢化が進む中、先人が築き上げた農のある美しい景色、それを守り、新時代に対応していくために今回は質問をさせていただきます。
 まずは、ブランド化について伺ってまいります。
 RESAS、いわゆるビッグデータを見ますと、本市の農業産出額は2014年が46億1,000万円だったのに対し、2016年は51億4,000万円と2年間で11.49%伸びています。経営体当たりの農業産出額、つまり1経営体当たりの産出額は全国平均で640万円、静岡県平均で1経営体当たり660万円、これに対し、本市は1経営体当たり890万円であります。また、農産物販売金額帯別の経営体の割合、これを見ますと、2010年の販売金額が1,000万円以上、売り上げが1,000万円以上の経営体が15.18%であったのに対し、5年後の2015年は17.26%と2.08%伸びています。この数字も全国平均の9.1%、静岡県平均の11.39%と比較しても大きく上回っています。私は、このような客観的なデータから、これまでの農畜産物のブランド化における本市の取り組みは大変評価できるものであると考えます。
 しかし、油断はできません。インターネット通販大手のアマゾンは、生鮮食品を最短4時間で届ける、そういったサービスを2017年から開始しました。2018年には有機野菜などの宅配サービスを提供するオイシックスドット大地が、同じく食材宅配を手がける、らでぃっしゅぼーやを吸収合併しました。ITの力で農業を取り巻く環境も大きく変化しています。今後は、このような中で産地は競争力を高めていかなければなりません。また、地方創生を合い言葉に、全国の他の市町村でもブランド化や農商工連携、6次産業化に力を入れています。今、順調である本市のブランド化の取り組みは、決してトーンダウンするようなことがあってはなりません。むしろ磨き続けるべきです。
 そこで、本市における農畜産物のブランド化の今後の方向性について伺います。
 以上を壇上よりの質問とし、残りは質問席より行います。

◎産業文化部長兼まちづくり政策監(渡辺義行君) それでは、本市における農畜産物のブランド化の方向性について御答弁申し上げます。
 農畜産物のブランド化につきましては、今までもさまざまな取り組みを行ってまいりました。生産者、飲食店、有識者、各種団体及び農協、行政で組織される三島市地域ブランド推進協議会におきましても、農畜産物のブランド化についての議論がなされているところでございます。今年度は、生産者と飲食店をマッチングする機会をつくり、三島市の農畜産物を使っていただくことで飲食店に対して、まだ知られていない農畜産物の認知の向上を図り、また、生産者の皆さんには出荷した産品がどのように活用されているかを知っていただく機会を創出したいと考えております。このことにより地域の飲食店での地産地消を推進し、地場産品に対する愛着を深めてもらうというブランディングの基礎を固めることができるとともに、生産者にはよりよい品質のものを生産しようという意識の高揚につながると考えております。また、市外、県外の飲食店にも波及していけば、外部から価値を認められるというブランディングの次の段階へ進むことが可能となります。
 一方、農畜産物のブランド化の前提として、安全・安心で高品質であることが重要と考えております。このような野菜を生産し、消費者に届けるための生産者の取り組みとしては、平成28年度から共通スローガン「日本一美味しい野菜を目指して」を掲げ、箱根西麓三島野菜農業基準という数十項目の自己審査を実施しております。これは生産者のおいしい野菜をつくろうという共通認識を高め、ブランド野菜の産地を守り育てるための取り組みとなります。また、畜産ブランドとされる箱根西麓牛、箱根山麓豚などにあっては、恵まれた自然環境やおいしい三島の水で育ったものとして、成育環境を維持することにより、引き続き、安全・安心で高品質を追求し、さらなるブランド化を目指してまいります。
 いずれにしましても、ブランド化は途切れることなく継続していくということが重要であり、今後も確実にブランド化が進むよう努力を続けてまいります。以上です。
◆2番(伊丹雅治君) ありがとうございます。
 ブランド化は途切れることなく、これからも継続していくことが重要だという力強い御答弁をいただきました。
 まずは、地域の飲食店での地産地消を推進し、地場産品に対する愛着を深めてもらうことがブランディングの第一歩ということでありましたが、私も同感であります。しかし、地産地消は近いようで遠い、そういった流通の難しさ、課題がありますので、今後もマッチングの研究をしっかりと進めていただきたい。
 一方で、安心・安全で高品質を目指すという御答弁がありました。確かに大切な視点であります。おいしいだけではブランドとして通用しない、そういった時代であります。
 農林水産省の農産物の生産における環境保全に関する意識・意向という調査では、環境に配慮した農産物の購入に関する消費者の意向を見ますと、「購入したいと思う」が63.2%、「どちらかといえば購入したいと思う」が35.4%と、合わせてほぼ10割と言っていい人が購入したいと考えていることが読み取れます。また、その理由として「安全で健康によいものと思うから」に次いで、「環境に配慮した農業をしている生産者を応援したいから」となっています。
 持続可能な農業を推進するとともに、環境への負荷の低減を図るために、本市はどのようにこの環境保全型農業に取り組むのか、その姿勢を伺います。
◎産業文化部長兼まちづくり政策監(渡辺義行君) お答えいたします。
 三島市では、日本一おいしい農畜産物を目指し、ブランド化を推進しておりますが、その前提として安全・安心で高品質な農畜産物であることが重要でございます。そのため、従前より病害虫の回避と土づくり、減農薬・低化学肥料における有機農業や自然農法などの環境保全型農業を推進しております。環境保全型農業では、生物農薬やエコ栽培資材等、地球に優しい資材を導入し、栽培します。これらの資材は農家にとって生産コストのアップにつながりますが、販売に至っては残念ながら大きな価格差がつかないという大変難しい問題がございます。しかしながら、安全・安心で高品質な農作物の生産が第一と考え、環境保全型農業資材を使用する農業者に対し、支援を継続しているところでございます。
 近年、食品事故の発生を契機とした消費者の食の安全・安心への意識が高まっているため、また、オリンピック・パラリンピックの食料調達基準を満たすため、さらには、大手販売流通企業との取引や海外輸出時などにその農産物がGAPを取得していることが求められてきています。GAPとは、農業において環境保全のみならず食品安全、労働安全などを確保するための生産工程管理の取り組みを行い認証を取得しますが、この取り組みは経営意識の向上や農業力の底上げにつながると考えられております。平成29年度末時点の県内の取得件数は、国際基準のグローバルGAP5件、日本発のJGAP92件、三島市においては取得費用、更新費用や農地管理基準などの面からハードルが高く、取得されていない現状でございます。
 このような中、県ではしずおか農林水産物認証制度の取得を推進しておりまして、こちらは認証基準を国のGAPガイドラインに準拠させており、GAP入門編として取り組みやすいことから推奨をしており、県内における取得件数は93件でございまして、そのうち三島市では2件の農家が取得している現状でございます。
 市といたしましては、箱根西麓三島野菜のブランド野菜産地として、安全・安心で高品質な野菜であることは大前提であるため、JAとともに部会単位等で、まずはしずおか農林水産物認証の取得を検討していきたいと考えております。以上です。
◆2番(伊丹雅治君) 最近では、福祉施設が農業に参入しているというケースが増えていますが、農と福祉の連携についての調査研究報告書によりますと、減農薬有機農業、また、無農薬有機農業に取り組む事業所が55.9%と、その半数を超えています。これは環境を意識して、かつより高付加価値の高いものを狙い、生産しているということが考えられます。
 これからこういった参入が予想される福祉施設においても有機農業、また、自然農法というのは欠かせない農法でありますので、引き続き、技術力の向上に努めていただきたいというふうに思います。
 また、オリンピックの選手村で使う食材の調達条件となったGAP認証についてでありますが、2017年の調査ではJGAP認証農場数は1%に満たない状況であります。その理由としては、まず取得に当たっては、時間や費用の面で難しいという声が多く、また、取得した後も毎年の審査に10万円程度必要となりますので、書類づくりなどの事務負担も多いため、普及をしていません。現実的には当産地での普及も難しいというふうに思いますが、GAPのガイドラインに準拠した県の認証の取得を推進していくということでありますので、期待をさせていただきます。現場の状況を考えますと、事務作業をサポートするような、そういった体制が成功の鍵を握っていると思いますので、そのような部分にもしっかりと力を入れていただきたいと思います。
 次に、鳥獣被害について伺います。
 産地の農業関係者にヒアリングをしますと、この鳥獣被害、これに困っているという声をよく聞きます。鳥獣被害は営農意欲の減退などをもたらしますので、被害額として数字にあらわれる以上に産地としては深刻な影響を与えます。被害状況の傾向と対策について伺います。
◎産業文化部長兼まちづくり政策監(渡辺義行君) 有害鳥獣による農作物への被害は、毎年増加傾向にございまして、放置するとさらに拡大するおそれがございます。平成29年度の捕獲頭数につきましては、イノシシ82頭、ニホンジカ54頭、ハクビシン39頭でございました。
 このような中、三島市で策定した三島市鳥獣被害防止計画を有効かつ適切に実施するため、平成29年7月に三島市鳥獣被害対策実施隊を設置し、鳥獣被害対策に取り組んでまいりました。この実施隊の設置の目的の1つは、農家からの被害報告に対し、迅速な対応をすることで被害軽減を図ることでございます。もう1つの重要な目的として、農家等への鳥獣被害防止に対するアドバイス等を行い、農家とともに鳥獣被害対策に取り組むことで、自分たちの地域は自分たちで守る意識を高め、地域ぐるみで鳥獣被害防止に取り組むことがございます。例えば農家が残渣の片づけ等、農地周りの環境を整えることは被害を防ぐために最も重要でございますが、地域全体で取り組まなければ効果は期待できません。平成29年度の実施隊の稼働実績として、8人の実施隊員が170回出動し、被害に対するわなの設置や防除柵の設置指導、また、猿出没に対する追い払いなど、積極的に活動を行ってまいりました。
 また、農家の自衛の手段として、侵入防止柵を設置する農業者に対して防除柵設置にかかる費用の補助と狩猟資格免許の取得に要する費用の補助を行い、30人の農家が防除柵を新規に設置し、狩猟資格免許取得に関しては1人が新規取得、3人が更新をいたしました。
 有害鳥獣被害対策は農家にとって死活問題であるため、今後も捕獲による被害防除と農家の自衛による鳥獣被害防止の2本立てで被害を受けにくい地域づくり対策を進めてまいります。以上です。
◆2番(伊丹雅治君) 昨年度から実施されました実施隊のそういった取り組みというものを大変評価いたします。今後も、捕獲と自衛のこの2本立てで、しっかりと鳥獣被害に強い地域づくりを整えていっていただきたいというふうに思います。
 次に、産地の担い手について伺います。
 私のところにも三島市で農業をしたいというような方が非常に多くて、問い合わせもあったりします。本市の新規就農者は年々増えているということは確認をしていますが、希望者はもっとたくさんいるのではないのかなというふうに推察をしています。
 そこで、ニューファーマーの状況について、他市町との比較も含めてお伺いします。
◎産業文化部長兼まちづくり政策監(渡辺義行君) ニューファーマーの他市町との比較についてでございますが、平成28年度は三島市のニューファーマーは8人で、東部農林事務所管内で比較しますと、伊豆の国市と並んで一番多く、平成27年度におきましても三島市は7人であり、東部農林事務所管内では一番多い状況となっております。
 ニューファーマーの受け入れ事業といたしましては、がんばる新農業人支援事業がございます。これは、研修受け入れ農家とJA、市町、県などが地域受け入れ連絡会を組織し、新規就農希望者に研修受け入れ地域での就農に向け、1年間の実践研修や就農準備等の総合的支援を実施し、地域担い手として育成する事業でございます。8月に県全体で、がんばる新農業人支援事業の個別面接を行いましたが、8つの地区に分かれた中でJA三島函南地区は農地面積が大きくないにもかかわらず、県内で2番目に希望者が多く、6人の面接を行いました。しかしながら、年齢的要件や施設栽培を目指す場合はハウス建設に伴う初期投資が大きく、自己資金等が必要になりますが、その資金が不足していたことから、残念ながら面接に合格される方はございませんでした。
 現在このがんばる新農業人支援事業を経て、三島市で就農した方は2人でございますが、1人の方は既に所得も安定し、自立経営をしており、もう1人の方につきましては、国の農業次世代人材投資事業を活用しながら、市としても支援しているところでございます。
 新規就農することは初期投資も非常に大きく、農業技術と経営が安定するまで時間がかかりますが、強い意思を持ち、やる気のある方々を国の制度を活用しつつ、継続的に支援してまいります。以上です。
◆2番(伊丹雅治君) 三島市で農業をしたいという方が非常に他市町と比べても多いということがわかりました。移住・定住政策に力を入れる本市としては、非常にもったいないと言わざるを得ません。
 平成27年11月の私の一般質問に対して、営農計画の立案から農地のあっせん、住居のあっせんに至るまで、きめ細やかな相談のできる窓口を設置など、迅速かつ的確に対応できる体制づくりに積極的に取り組んでまいりたいという御答弁をいただいておりますので、ぜひ引き続き御努力をお願いしたいと思います。
 ニューファーマーの受け入れというのは、実際はなかなか難しい状況にあります。担い手不足が進行する産地を維持していくためには、今日まで頑張ってきた農業者にもっと頑張っていただくというのが一番の近道であります。しかし、農業者は今つまずいております。そこには本市のさらなる農業の発展を妨げる大きな障壁があるからです。それは、農地の集積・集約化が進んでいない、そういった課題であります。
 RESASで本市の品目別農業産出額を見ますと、野菜の割合が65.4%であります。つまり本市には露地野菜農家が多いということがわかります。また、露地野菜の部門別販売金額は浜松市に次いで県内で2番目であるということがわかります。これは本市の農業の強みと言えます。この露地野菜を栽培する農家に、特にやる気のある農家にいろいろ問題点を聞きますと、条件のよい畑が足りないという声を数多く聞きます。
 そこで、今回提案したい事業があります。それは、農林水産省が来年度予算の概算要求をしています農地中間管理機構関連農地整備事業であります。この事業は、農業者に費用負担を求めずに農地の造成、区画整理など、基盤整備を実施する事業でありまして、斜面、小さい畑の多い箱根西麓地域において、農地を集積し、集約化を進めるために大変適した基盤整備事業であります。産地の最大の課題を解決する画期的な事業と考えますが、当局の見解を伺います。
◎産業文化部長兼まちづくり政策監(渡辺義行君) 農地の整備と集積・集約化についてでございますが、現在、県とともに県営農地整備事業である箱根南西麓事業を進めております。この事業は農道整備の中で勾配が急で、切り下げや拡幅工事の必要な農道の沿線にある農地を受益者の負担なく緩斜面に整備する事業でございます。しかしながら、農道整備が主であるため、事業対象地域内にある全ての農地を整備することはできません。
 そこで、議員御指摘の農地中間管理機構関連農地整備事業でございますが、この事業は農地中間管理機構が借り入れている農地について、農業者に費用負担を求めずに農地造成、区画整理、農道拡幅等の基盤整備を実施する県営事業でございます。急傾斜、小区画不整形農地の点在する箱根西麓地域において、農地を集積し、集約化を進めるために適した基盤整備事業であると考えております。このように画期的な制度ではございますが、採択要件は通常の基盤整備事業より厳しくなっております。
 具体的な内容としては、事業対象農地の全てに農地中間管理権が設定されていること。事業計画公告日から起算して農地中間管理権の設定が15年以上であること。事業実施範囲が10ヘクタール、かつ各一団の土地が1ヘクタールの面積を有していること。事業施行区域内農用地が認定農業者等の担い手に集積され、さらに事業完了後の5年以内に事業対象農地の8割以上が担い手に集団化されていることなどが採択の要件となっております。
 これらの要件は、当市の現状を考えると非常に厳しいものがございます。まず、現在、当市において15年以上の長期間、農地中間管理権の設定をしている農地はまだございません。これは農地の所有者が長期間の農地貸し付けに不安を感じているためだと思われます。次に、面積要件と担い手への農地集積状況でございますが、農地中間管理事業の重点実施区域として、農地の集積を進めている坂地区においてですら地区内の農地173ヘクタールにおける担い手の農業者への集積面積は、平成30年7月末現在で9.5ヘクタールで、集積率は5.4%と低くなっております。これは担い手の農業者が農地の集積や集約化をすることにメリットを感じていないことが要因と考えられます。
 このようなことから、まずは将来の農業継続に不安を感じている農地の所有者や担い手の農業者を対象にした勉強会を開き、農地中間管理権設定による基盤整備事業のメリットや農地の集積・集約が生産性の向上や効率化につながることなどを御理解いただきまして、事業申請に向けた環境づくりを進めてまいりたいと考えております。以上です。
◆2番(伊丹雅治君) ありがとうございます。
 事業申請に向けた環境づくりを進めてくださるということであります。将来の農業継続に不安を感じる農地の所有者や担い手の農業者を対象にした勉強会をスタートしていただけるということでありますので、期待をしております。農業新時代へ向け、やる気のある農家の期待にぜひ応えていただくよう、強く求めます。
 農地集積が、このように思いどおりに進まない中ではありますが、農林業センサスの農家の経営耕地規模、これを見ますと、本市における2ヘクタールを超える農家数、いわゆる規模の大きい農家数は2005年が44戸、これに対して2015年、10年後、これが55戸と25%増えています。つまり規模拡大が進んでいるということが考えられます。規模拡大には、労働力の確保と機械化、これが必要であると考えますが、当局の見解を伺います。
◎産業文化部長兼まちづくり政策監(渡辺義行君) 三島市の農業経営体の特徴についてでございますが、農地が比較的小区画不整形で傾斜地等の条件不利地が多く、機械化が難しい地域であるため、その地域特性を生かした少量多品目、かつ高品質の野菜を家族経営体で生産する農業経営体が大半を占めております。
 このような家族経営体での規模拡大の課題でございますが、1つ目は労働力の確保でございます。安定した労働力を確保することにより、生産量の増大のための計画生産の見通しが立ち、作付面積等を拡大することが可能となります。しかしながら、農作業は体力仕事で重労働であり、天候に左右され、毎日の作業は常に暑さと寒さの闘いであることから、労働力の確保が長年の課題でございました。現在、JA三島函南では無料職業相談所を開設し、JAグループによるインターネット上での求人募集サイトを活用するなど、人材確保に努め、成果を上げているところであり、また、JAと市の協力のもと、本年度からは労働力確保のための農福連携事業にも取り組んでおります。
 次に、規模拡大する上での課題の2つ目として、農作業の省力化のための機械化がございます。機械化は重労働からの解放と省力化が可能なため、労働時間の軽減が図られることから、傾斜地での農業機械利用が難しい地域であったとしても、規模拡大のために有効な手段でございます。しかしながら、家族経営体の多い三島市では、個人が所有するには機械1台当たりの利用面積が小さく、経営全体における農業機械のコストが大きくなってしまいます。このような中、個人での所有から地域での共同利用への転換により、機械の導入や維持にかかるコストを抑えられることで経営規模拡大や新規就農等につながるものと考えられます。平成29年度はJA三島函南では市の支援のもと、野菜苗定植機とタマネギのタッピングマシンを導入し、地域での共同利用を開始いたしました。
 いずれにいたしましても、労働力確保や農作業の省力化のための機械化につきましては、生産者の規模拡大や産地強化に結びつきますので、引き続き、農協と連携し、効率的な支援を行っていきたいと考えております。以上です。
◆2番(伊丹雅治君) 農林水産省はスマート農業を、ロボット技術やICT等の先端技術を活用し、超省力化や高品質生産等を可能にする新たな農業と定義しています。このような新技術の登場など、変化の波をうまく捉えれば農業は成長産業への可能性も見えてきます。本市の農業のさらなる発展のため、先端技術を活用したスマート農業を推進すべきと考えますが、見解を伺います。
◎市長(豊岡武士君) 先端技術を活用したスマート農業につきましてお答えを申し上げます。
 農林水産省は、来年度の新規事業といたしまして、スマート農業加速化実証プロジェクトという事業の予算を概算要求いたしております。この事業は研究機関や企業、農業者の活力を結集して、ロボットやIoT等の先端技術を活用したスマート農業の全国展開を加速化するため、モデル農場における体系的かつ一貫した形での技術実証を支援するものでございまして、国がスマート農業を強力に推進していることがわかります。
 一方、三島市での農業者のスマート農業の現況についてでありますが、トマトの施設園芸におきまして数名の方が環境モニタリングシステムのIoTを取り入れているところでございます。これは栽培施設内に環境センサーを設置しまして、温度や湿度などの環境情報をスマートフォンやパソコンでいつでも確認できるため、巡回時間の削減とデータの蓄積による作物の生育異常や問題発生の回避につながることになりまして、結果として収量や品質の向上につながっていると聞いているところでございます。
 また、JA三島函南におきましては、米農家やバレイショ農家の省力化に向け、本年4月にドローンの導入に関する勉強会を開いて、圃場での薬剤散布の実証実験を行ったと聞いております。ドローンの導入に関しましては、ランニングコストがかかることや今後、性能に開発の余地が見込まれることなど、検討の余地はありますけれども、労働の軽減や省力化に効果的でありますので、前向きに研究すべき課題だと考えております。
 また、三島市の農業におきましても、高齢化と担い手不足は進んできておりますので、スマート農業は未来の話ではなく、今、取り組んでいくべき課題であるというふうに考えているところでございます。
 導入すべきスマート農業は、産地の状況や作物によって一律ではありませんので、どの先端技術がスマート農業に適するのか、農業者、JA、行政が課題を共有し、鋭意研究を進め、三島市の農業の成長産業化と施設園芸野菜における新たな地域ブランドの創出に向け、努力をしていきたいと考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、農業の健全な発展なくして地域の発展はあり得ないわけでございます。私もかつて、静岡県でなぜ農業の振興が必要なんだという研究のプロジェクトを任されたことがございました。冒頭に議員が御紹介されました、農畜産物の安定供給や教育といったものに加えまして、農業には多くの公益的役割があるわけでございます。本当に治水であるとか、あるいは伝統文化の継承であるとか、多くの役割があるわけでございまして、この農業が衰退していくということは耐えられないことだというふうに私は考えております。
 したがいまして、引き続き、さまざまな角度から本市の農業と、それから、農業経営者をしっかりと支援してまいる考えでございます。スマート農業はもとより、力を合わせて本市の農業発展のために全力を尽くしたいと考えておりますので、一体となって取り組んでくださることを重ねてお願い申し上げまして、御答弁とさせていただきます。
◆2番(伊丹雅治君) ありがとうございます。
 豊岡市長の農業にかける熱い思いというのが伝わってまいりました。施設園芸野菜における新たな地域ブランドの創出という話もありましたので、ぜひ期待をしておりますので、よろしくお願いいたします。
 先日、霞が関へ伺いまして、スマート農業について勉強をさせていただきました。かなり農水省の方々も本腰を入れて取り組まれるようでありますので、ぜひ乗りおくれるようなことがなきように、スマート農業の導入を進めていただければというふうに思います。
 露地野菜に関しましては、例えば重量野菜の収穫やコンテナ移動など、腰の負担を軽減します農業用アシストスーツなども産地に向いているというふうに考えますので、ぜひプロジェクトチームを立ち上げて研究をしていくような、そういった形でしっかりと進めていただきたいというふうに考えております。
 次に、農業における女性活躍の推進について伺います。
 女性は、農業就業者の人口の約半数を占め、地域農業の振興において重要な役割を担っている存在であります。しかしながら、家族経営が主流である日本の農業において、女性は農作業だけではなく、家事、育児等を全てこなすことが多いなど、家族経営における女性農業者の活躍には課題があります。これからは女性農業者が働きやすい環境を整えることが不可欠であり、関係者が真剣に取り組んでいくことが求められます。今までの本市の農業政策においても、やはりこの部分というのは少し弱かったのかなというふうに私は感じています。
 今後の農業における女性の活躍について、市の見解を伺います。
◎産業文化部長兼まちづくり政策監(渡辺義行君) 農業における女性の活躍についてでございますが、2015年農林業センサスによりますと、女性農業者は基幹的農業従事者の43%を占め、女性が参画している農業経営体ほど販売金額が大きく、経営の多角化に取り組む傾向が強いとの結果が出ており、地域農業の振興や6次産業の展開に重要な役割を担っていることがわかります。
 農林水産省では、農業の成長産業化を図るため、女性の活躍を推進しており、女性向けの支援施策を強化するほか、女性農業者の持つさまざまな知恵を社会に届ける農業女子プロジェクトという取り組みを平成25年度に発足し、静岡県内から14人、三島市から1人の女性が参加し、活躍されています。この三島市の方は、ふじのくにエレガントファーマーズという静岡県内の農業女子会を立ち上げ、県内女性農業者の牽引役となり、これからの活躍が期待されるところでございます。
 また、三島市内における女性農業経営者としては、平成28年に30代の女性がトマト農家として新規就農をいたしました。トマトの栽培技術と経営管理についての約1年半にわたる研修を先進的農家において受けられ、ビニールハウス2棟で合計20アールの経営規模での農業経営を開始し、現在3年目に入りました。経営者としての農業参入でございますので大変厳しいものがあり、特に女性ですと体力的な面、労働時間の面、家事や子育ての側面からも困難は相当なものと考えます。
 いずれにしましても、女性は緻密なマネジメント力にすぐれており、また、消費者の目線を持つ強みから、農産物の6次産業化等のアイデアに大変すぐれている一面を持っております。女性の農業へのかかわり方は経営者として、後継ぎとして、農家のお嫁さんとしてなど、さまざまなかかわり方がございますが、農業の発展のためには女性の活躍は欠かせないものと考えます。
 三島市では、現在みずからつくった野菜を使った加工品の開発販売や農家の生活環境改善に取り組む農家の女性で組織する、ときめき女性連絡協議会が活動をしております。今後につきましては、この協議会の支援を含め、農業で活躍する女性の姿をさまざまな切り口で情報発信し、女性農業者の存在感を高め、職業としての農業を選択したいと思う若い女性が増える環境づくりを行うとともに、女性の活躍を推進していきたいと考えております。以上です。
◆2番(伊丹雅治君) 女性活躍推進について、今、本当に政府が積極的に取り組んでいますので、ぜひ今は大きなチャンスと捉えて、しっかりと進めていただきたいというふうに思います。
 次に、農福連携事業について伺います。
 本年5月に三島函南農福連携支援連絡協議会が発足して4カ月がたちました。7月の三島馬鈴薯の収穫に合わせ、モデル事業を展開されているというふうに伺っていますが、これまでの農福連携事業における現状について伺います。
◎産業文化部長兼まちづくり政策監(渡辺義行君) 農福連携事業における現状でございますが、本年5月14日、三島函南農福連携支援連絡協議会が発足し、12の福祉事業所、21軒の農家、行政、JA等が手を組み、三島市型の農福連携をスタートいたしました。協議会では、現在2つの方向で農福連携を進めております。
 まず、1つ目の農福連携の方法として、農家の作業依頼に対し、福祉事業所が作業を受託する農作業請負方式に取り組んでまいりました。この農作業請負方式での8月末までの実績は、農家9軒による作業依頼があり、それに対し、5つの福祉事業所が従事いたしました。農作業従事延べ人数は91人となっており、バレイショの掘り取り、畑の片づけなどが主な作業内容でございます。
 2つ目の農福連携の方法として、農福農業塾を開講いたしました。これは福祉事業所が農業分野に参入するに当たり、農業の専門的知識を持つ職員が少ないことが課題となっているため、農業生産に関する栽培知識と技術の習得を目的に福祉事業所職員を対象に講習を行うもので、三島市佐野体験農園にて1年間のカリキュラムの農福農業塾を開講したところ、職員6人、そして、将来農業分野で働きたいという利用者5人の方に御参加をいただき、市内篤農家や佐野体験農園、営農指導員の指導を受けております。以上です。
◆2番(伊丹雅治君) 農業サイドの課題としては、B型事業所への作業依頼が少ないという点が少し気になります。視察をしてきました先進地、香川県のように現在の時給制から歩合制による請負へ変更すべきであるというふうに私は考えます。そうすることで、福祉施設は作業をある程度、自分たちのペースで行えますし、農業者も作業効率をそこまで求めなくてもよくなると思います。
 一方で、福祉サイドの課題としては、まだまだ様子を見ている事業所も多いように感じますので、さらなる情報発信の工夫が必要と考えます。
 このような両分野の課題への対応を含めた、本市における農福連携の今後の展開について伺います。
◎産業文化部長兼まちづくり政策監(渡辺義行君) 今後の展開といたしまして、農作業請負方式におきましては、より一層多くの農家と福祉事業所双方に参画していただきたいことから、事業参加者の声をお届けすることや連絡協議会が事業、事務改善した事項について、積極的な情報提供を行っていきたいと考えております。
 福祉事業所側は、年度当初に年間スケジュールを組んでおり、農作業を組み込むことが難しいとも聞いております。また、農業側はどのような作業をお願いできるのか、様子を見ている農家もあると聞いております。協議会ではこのような状況を一つ一つ解消したいと考え、具体的には次年度に向け、福祉事業所が参画しやすいよう、作業依頼カレンダーの作成や1つの農作業工程の動画を作成し、関係者が即座に視聴できるよう、ユーチューブに公開する作業工程の見える化を進めてまいります。
 また、現在は作業単価を決めて作業請負をしておりますが、今後、B型事業所に関しましては、歩合制による請負を研究してまいります。
 農福連携を推進するためには、福祉と農業は分野が全く違いますので、情報共有に努め、両者の橋渡しを継続することで行政の役割を果たしていきたいと考えます。
 農福農業塾に関しましては、将来的には福祉事業所の農業参入を目指しております。しかしながら、農業に参入するには技術の習得に加え、販路確保や農地確保、機械の導入など、課題は多々ございますので、コミュニケーションを深める中で継続的なサポートをしていきたいと考えております。以上です。
◆2番(伊丹雅治君) 私も農福連携の様子を現場に何度か見に行きましたけれども、農家さんに実際にヒアリングをこの事業についてしてみますと、おおむね好評でありました。さらには、障がい者理解というのも非常に農家さんの間で進んでいるといううれしい事実もありました。
 今、福祉施設の参加が少ない状況ではありますが、今後は函南町など、近隣市町と連携するというようなことも視野に入れて検討していただきたいというふうに思います。福祉事業所が参画しやすくする対策として、ユーチューブで公開して、作業工程の見える化を図るということは非常にすばらしいアイデアだと思います。期待しています。
 目指すB型事業所の工賃月額の目標というのは最低、私は3万5,000円まで向上させなければいけないというふうに考えます。親なき後の課題解決に向け、しっかりと事業を進めてください。
 今回は農業一本勝負で質問してまいりました。現状を分析し、しっかりと将来の産地ビジョンを描き、農業を前へ前へ進めていかなければなりません。農業新時代へ向け、さらに本市の農業が発展することで、三島市の未来がより一層増すことを期待申し上げまして、私の質問を終わります。